| 本 年 度 研 究 計 画 |
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| 平成23年度 |
| T. | 基 本 方 針 | |||
| 平成22年度は、農政大転換を打ち出した民主党新政権のもと新たな食料・農業・農村基本計画が策定され、10年後の食料自給率50パーセントの達成、戸別所得補償制度の導入、「品質」「安全・安心」といった消費者ニーズにかなった生産体制への転換、6次産業化による活力ある農山漁村の再生が謳われ、農業生産現場の期待はこれまでになく高まるスタートとなりました。 しかし、急激な円高、猛暑、口蹄疫・鳥インフルエンザなど未曾有の家畜被害、アラブ諸国の政情不安など、低迷する日本経済に追い討ちをかけるように、異常事態が国内外で相次いで発生しています。加えて国内政治は新政権の舵取りをめぐって混乱しており、とりわけ唐突に浮上したTPP問題は、この国のかたち、とりわけ国内農業を根底から覆す一大事との懸念から、全国的な大議論を巻き起こしています。さらに北海道農業は2年続きの気象災害に見舞われ大きな被害が発生したことから、かつて経験したことのない気候変動下での生産対策に課題を残す年になりました。 こうした厳しい状況下にあって、「新たな食料・農業・農村基本計画」に沿って、「農業者個別所得補償制度」が十分な財源確保のもと実行され、食料自給率向上目標が達せられるためには、品質の高い豊富な農畜産物を生産し、国土・環境保全をはじめ多様な価値を発現してきた北海道農業がより強固なものとなって、広く国民に理解され支持されることが不可欠です。そのためには以下に述べる課題に関係者が衆知を結集して取り組む必要があります。 飼料や肥料など海外穀物・原料の高騰など構造的ともいえる生産コストの上昇はあらゆる農業経営を圧迫しています。また近年の異常な気候変動により、さまざまなタイプの気象災害が発生し収量低下に見舞われています。収益確保を実現し北海道農業を維持するために、革新技術や各種支援システムの導入など生産性向上対策について検証していく必要があります。 後継者・担い手の確保は、地帯別に差異はあるものの困難を伴うきわめて重要な課題となっています。中長期的な農業者構成・農業構造変化を予測し、稲作地帯を中心として大規模のうちの受け手・受け皿のあり方について早期の対応が求められます。 海外をも視野に入れた道産農畜産物の市場開拓に加えて、内需拡大を目指し地産地消や食クラスターによる他産業との連携など6次産業化の機運が盛り上がっています。デフレや輸入圧力を克服し安定的な需要と収益力を確保するため、有効な販路拡大方策とこれをサポートする組織や制度のあり方について検証する必要があります。 一方、ファーマーズマーケットやグリーンツーリズムなど農業体験や農村交流事業が全道各地で見られるようになりました。参加者の多くが呼び起こされるであろう農業・農村への理解と共感は、食料自給率低下への懸念とともに、わが国農業に対する国民的合意形成への重要なポイントになると思われます。 すでに多くの農村で、医療・保健・福祉・教育など地域社会福祉サービス機能はもとより商業活動の撤退が相次ぎ、豊かで安全・安心な暮らし、文化的で快適な生活が阻害されています。農業生産活動が活発な北海道の農村にあっても、地域の人口減少は著しいものがあり、安心して暮らせる地域づくりは喫緊の重要な課題となっています。 中期計画2年次にあたる平成23年度は、このような農業情勢の展開にタイムリーに対応する調査研究課題に取り組むとともに、中期計画達成を目指して以下の事項に取組み、会員ならびに関係機関の負託にこたえてまいります。 |
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| U. | 組織運営に関する取組み | |||
| 1. | 経営基盤の安定と職員の職域拡大 | |||
| (1) | 会員の加入促進 | |||
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平成22年度末の区分別では、農協は正会員90、賛助会員13で計103、市町村は正会員42、賛助会員1で計43となりました。 また、団体は正会員53、賛助会員28で計81、個人は正会員96、賛助会員2で計98となり、区分合計は、正会員281、賛助会員44の計325会員となりました。 本年度はホームページを活用した広報・宣伝活動の強化を図るとともに、定期的な会員巡回を導入し会員の維持・加入促進に努めます。特に減少著しい市町村会員について適切な対応を図りその維持に努めます。 |
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| (2) | 研究所職員体制の強化 | |||
| 研究業務の強化・充実に向け、職員の研究技能教育を実施して、研究職域の拡大に取り組みます。あわせて所内定例研究会を開催するなど研究マインドを醸成に努めます。 | ||||
| (3) | 参与会・運営委員会の開催 | |||
| 研究所運営に対する適切な助言を得るため、参与会・運営委員会を適宜開催し、経営諮問組織の活用を図ります。 | ||||
| V. | 調査研究事業の取り組み | |||
| 1. | 新たな農業時代にふさわしい役割の発揮 | |||
| (1) | 自主研究の取り組み | |||
| 北海道農業の構造に関わる重要な課題について研究所として独自に研究してまいります。 平成21年度から取り組んでいる「北海道農業の軌跡にみる発展へのベクトル(北海道農業発達史)」について、3ヵ年研究活動の最終年として成果を取りまとめる予定です。また新たに3ヵ年の取組を目途に1課題を設定し、研究会を立ち上げます。 あわせて「農協・組織」「生産・消費・流通」「農業経営・政策」に係る現下のタイムリーな課題を摘出の上、必要に応じて研究会を設置するなど、主として情報収集を目的に短期の自主研究に取り組みます。 |
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| (2) | 共同研究・受託研究・提案企画研究の取り組み | |||
| 会員をはじめ、関係機関・諸団体から個別課題の委託を受け、積極的に調査・研究を進めてまいります。 共同研究では、JAおよび市町村が取り組む地域振興計画情報の把握に努め、年あたり数地域の取組が継続できることを目標に効果的な推進に取り組みます。 また、国や北海道が公告する調査事業への参画も視野に入れ、情報入手・対応態勢の整備に取り組みます。 さらに、国土保全・環境・エネルギー・観光分野における農業がもたらす新たな価値や、食育・農業体験など都市との交流に関わる問題についても提案してまいります。さらに、地域資源や農地情報など地域の現況解析に大きな効果の発揮が期待できるGIS(地理情報システム)の活用など、研究領域の拡大に取り組みます。 |
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| 2. | 成果発信と情報提供の強化 | |||
| (1) | 論文集「地域農業研究叢書」・会報「地域と農業」の発行 | |||
| @地域農業研究叢書 自主研究・共同研究・受託研究の成果を、対外的に公表できるものは「地域農業研究叢書」として発行し会員に配布します。今年度は自主研究「北海道農業の軌跡に見る発展へのベクトル(北海道農業発達史)」成果をとりまとめ、刊行を予定しております。 A会報等 年4回発酵の会報「地域と農業」は、市町村・JA・生産者など地域の話題を充実するとともに、タイムリーな情報の提供に努めます。 当該年度の調査・研究の全容を要約した「年報」を発行します。 |
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| (2) | データベースの構築とホームページの活用 | |||
| 平成22年7月に開設した研究所・大学・試験場等の発行書誌全文閲覧サービスの充実・拡大を図るため、当面掲載書誌数の増加に取り組みます。また、ホームページの戦略的活用に向け、事業宣伝・研究体制広報を強化し、事業の獲得に直結する紙面づくりに取り組みます。 | ||||
| (3) | 生産者モニター制度の活用 | |||
| モニターから寄せられる情報を研究課題の発掘に活用します。あわせてモニター座談会の定例開催と近況報告「現地モニターだより」の会報掲載を行います。 | ||||
| 3. | 所外研究者および研究機関との連携強化 | |||
| (1) | 他の調査研究機関との研究協力・協同事業 | |||
| 研究者グループおよび大学・試験研究機関との強固な協力関係を維持するため、研究協力に努めるとともに、その主催する協同事業(戦略的大学連携支援事業・日韓中シンポジウムなど)に参画します。 | ||||
| (2) | 高い評価につながる研究所機能の発揮 | |||
| 今後とも協力研究員の結集が確保できるよう、研究者・研究機関からの高い評価につながる研究所機能の発揮に努めます。 | ||||
| (3) | 若手研究者の支援および出版助成事業の実施 | |||
| 研究所に結集する若手研究者の育成のため、調査研究事業を通じてその活動を支援します。また、協力研究員が行った研究の中から地域に根ざした研究を選考し、その出版に対して助成を行います。 | ||||
| 4. | その他の取り組み | |||
| (1) | 研修会・シンポジウム・研究会の開催について | |||
| 定期開催の「農業総合研修会」「総会特別講演会」ほか、研究成果の報告や時宜に適ったテーマによる研修会・シンポジウム・研究会を都度企画します。 | ||||
| (2) | 研修会、研究会への講師派遣・斡旋 | |||
| 会員や関係先からの要請により適任者を紹介、斡旋、派遣します。 | ||||
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