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最新の研究計画 

令和2年度研究計画

Ⅰ. 基 本 方 針


 一昨年度は、1919年(大正7年)に北海道の産業組合連合会(北聯)が設立されて百年を迎えた年であった。府県の大方の連合会が信連+経済連のかたちをとったのに対し、当初から総合連合会の形態をとり、北海道全体として事業間の連携を重視していたことがその特徴である。一般的に金融事業中心の事業体制への変化が見られる中で、北海道においては農協の総合的な事業方式が堅持されており、その伝統は引き継がれている。また、昨年度には北農中央会が連合会へと組織変更された。元号も改まり、文字通りの北農5連体制という節目の年となった。
 そうした中で、北海道地域農業研究所も1990年(平成2年)の設立から今年で30周年を迎える。設立当初からみると北海道の農業も農協も大きな変化を示している。この過程を振り返るとともに、研究所の位置づけをいっそう明確にし、シンクタンクとして北海道農業や農協への貢献のため組織力の一層の充実を図る1年となる。
 世界的に見れば、グローバル化の波は確実に進行しており、TPP11や日EU・EPAに続き日米貿易協定も締結されて関税障壁はますます低下し、食料主権が脅かされている。ひと・もの・かねの動きも激しく、家畜伝染病や新型コロナウィルスの感染拡大などそれに伴うリスクも高まっている。一方では、自国中心的潮流が強まっており、地球環境問題、中米関係、英・EU問題、移民問題など、政治経済的な緊張が高まっている。
 わが国においても、グローバル化の進展を促進するものとして規制改革が幅をきかせてきた。その農業への大きな波が農協改革であったが、焦点は信用事業の収益性問題にシフトし、農協組織再編が県域をエリアとして進行する気配にある。
 北海道においては農協組織再編は日程に上ってはいないが、急速な農家の減少のもとで、地域の農業生産力の維持と農地の保全が大きな問題となっており、法人化の手法を含め農協が担い手対策に直接関与するケースが拡大しつつある。
 こうした中で、「北海道地域農業研究所に係る事業検討会」の結論を踏まえ、当研究所は今年度、以下の諸課題に取り組んでいきたい。
 第一は、農協・農業団体や北海道・市町村などによる農業を中心とした地域振興策の策定・樹立を支援するという設立当初の目標を再確認し、その一層の強化のために「産官学」の協力体制を強化することである。
 第二は、農業はもちろん、関連する食や生活の問題、あるいは農村地域社会の持続的発展などの視点を重視し、農業問題領域を超えた教育・研究機関、研究者との幅広い協力・連携を図ることである。このことは「550万人サポーター」づくりにも大きな力になっていくと考えられる。
 第三は、以上の体制を整えつつ、北海道農業および農村地域の振興に関わる諸問題について地域の視点から取り組み、地域の将来予測や関係機関のあるべき姿などに関する提言を行うことである。そのためには、「農業者モニター会議」など、地域で活躍する方々の意見を直接に把握する機会を最大限に確保する必要がある。
 今年度においては、当研究所の30周年を契機として、20周年以降の10年の研究所の活動を総括して、今後の運営の方向性を明確にすることが大きな課題である。それとともに、中期的な研究課題として『北海道農業協同組合史』の刊行をめざすための研究会を立ち上げる。そこでは、北海道における農協の組織・事業・経営の特徴を骨太に描き出すとともに、それに基づいた北海道の農協の進路を指し示すこととする。

Ⅱ. 調査研究事業の取り組み

1. シンクタンクとして期待される機能の発揮
 北海道における農業および農村地域の振興に関わる諸問題について、地域の視点での調査研究により、実態を的確に把握・分析し、その将来予測や課題解決に向けた実践的提言を行う。
 
(1) 自主研究
 農業・農村を取り巻く情勢変化に対応し、農業の持続的発展や地域社会の活力維持に繋がる調査研究を企画・推進する。
 「生産者・消費者提携をベースとした力強い北海道農業の構築を目指して」を基本テーマとし、継続課題に加え、北海道農業の振興に向けた課題を適時設定し、調査研究を行う。

 
(2) 共同研究
 JAおよび市町村が取り組む地域振興計画策定に参画し、その策定支援に取り組む。
 また、関連研究機関との共同研究課題等を検討する。
 
(3) 受託研究
ア 会員および、関係機関・諸団体からの調査研究依頼に応え、委託者との密接な連携を図り、研究成果の実践的な活用に繋がる調査研究を行う。
イ 個別課題の関連情報収集や公募事業への参画に努め、提案型研究の推進を図る。
 
2. 大学・研究機関等との連携強化や支援
(1)  大学や研究機関等との研究協力・情報交換などによる連携強化を図り、調査研究事業のさらなる充実に努める。
 
(2)  協力研究員を含めた産・学・官の研究ネットワークの拡充を図り、調査研究において、農業現場・地域をつなぐ役割を積極的に担い、実践的調査研究を取り進める。
 

Ⅲ. 研究成果の発信と情報提供の強化

 基本理念を「地域農業と地域社会の振興及び維持・活性化に寄与する」としており、農業関連情報を農業関係者に関わらず、より広範に、定期的・効果的に発信する。

 
1. 30周年記念事業の取り組み
(1) 「30周年記念誌」の編纂業務
①  本年12月で研究所設立30周年となることから、昨年「記念誌編集委員会」を 立ち上げており、10月を目処として、「30周年記念誌」の編纂と発行を行う。
 
(2) 「北海道農業協同組合史」の執筆と出版
①  「北海道農協史研究会」を設置して、4~5年を目処に調査研究を行い、北海道における農協の組織・事業・経営の特徴を骨太に描き出すと共に、それに基づいた北海道の農協の進路を指し示す構成として執筆し、出版する。
 
(3) データベースの見直しと充実
①  研究所ホームページの見直しと改良を行い、利用者にとってより活用し易く更新し、データベースの見直し充実と併せて、情報提供機能の強化を図る。
 
(4) 「地域と農業」誌への記念企画の掲載
 
2. 機関誌「地域と農業」の活用
(1)  企画内容は、農業を取り巻く情勢の変化に的確に対応した構成とし、会員や関係機関の負託に応えられる様に、引き続き企画の充実に努める。
 
(2)  研究所の事業活動についても、研究成果の概要等を誌面で具体的に伝えて、農業に関わる専門のシンクタンクとしての認知度向上を図る。
 
(3)  配布先を広げ、全道の報道関連機関、医療施設、大学等への配布を行っているが、この取り組みを継続して農業関連情報をより広範に発信する。
 
3. 「地域農業研究年報」の発行と「地域農業研究所だより」の発信
(1)  令和1年度に実施した調査・研究課題の概要をはじめ、研究所の各種業務の推進概要をまとめた「地域農業研究年報」を発行して会員へ配布する。
 
(2)  研究所の研究報告の概要紹介等、事業活動の概況を整理し、JA宛に「地域農業研究所だより」として、定期的な情報発信をおこなう。
 
4. 地域農業研究叢書の公開
(1)  自主研究・共同研究・受託研究の研究成果の内、広く利活用が期待でき、対外的に公表が可能なものは、地域農業研究叢書として公開する。
 
5. ホームページの活用
(1)  情報発信ツールの一つとして、当研究所のホームページを活用する。ホームページへの来訪者・利用者の増加のために、記載内容の更新頻度を高め、併せて定期的に利用状況の確認もおこなう。
 
(2)  公開情報の量的拡大と内容の充実を図る為に、研究成果を公表できるよう研究依頼元へ公表の可否を確認して了承を得る。
 
6. 農業者モニター会議の開催
(1)  農業者の生の声を聞く事で、タイムリーな地域の情報を収集し、情勢の変化に的確に対応した、「地域の視点」に基づく効果的な調査研究と提言を行い、機関誌等に掲載して研究成果を発信する。
 
7. 研修会開催と講師の派遣
(1)  定期開催している「総会時特別講演会」、「農業総合研修会」をはじめとして、研究成果の報告会を都度開催する。
 
(2)  講師派遣業務の推進状況を発信して、会員や関係先に業務の状況を広く認知して頂き、派遣要請の内容に基づく適任者を、紹介・斡旋・派遣する。
 
8. 農業や農協活動の意義を広く一般に知らせる
(1)  公共のマスメディアを積極的に活用して、農業関連情報を農業関係者に限定せず、より広範に発信できるように取り進める。
 
(2)  農業振興に関わる情報発信は、他のシンクタンクとの連携や交流を図って、情報の量と質を充実させ、より広い視点で発信出来るように取り組む。
 

Ⅳ. 組織運営等に関する取組み

1. 経営基盤の安定化と組織体制の強化
(1) 会員の加入促進
 地域が抱える課題への対応や講師の斡旋・派遣を行う。また、会員に向けた情報の発信等により、調査研究事業に対する理解と賛同を得、新規会員の加入を促進する。
 
(2) 研究体制の強化
 関係機関や行政分野との連携を密にし、調査研究事業の領域を拡大するとともに研究員の質的な向上を図る。
 
(3) 各種会議体の開催
 参与会・運営委員会等の各種会議体を適宜開催することにより、調査研究事業のあり方や研究課題の提案など、諮問事項を事業推進に反映させる。

 

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